発達障害という言葉は知っているけれど、どんな症状なのか分からないと、言葉が一人歩きしてしまっていることがあります。
発達障害の子供に友達が出来ない、何かとトラブルが起こってしまうと悩みを持っている保護者も多くいます。
さらには、発達障害を持っている人自身が、友達が出来ない・周りとうまくコミュニケーションが取れないと、ストレスが溜まっている場合もあるようです。

発達障害の子供を持つ保護者、発達障害を持っている人の中で、友達の作り方で悩んでしまっている人に、是非して欲しい対処法を簡単に説明していきます。

この記事では、実際に障害をもつ子供や障害を持った子供の保護者へのカウンセリングや発達相談の経験がある、筆者の体験談や例を交えて説明していきます。
プライバシーや個人情報は保護し、多少ボカシている部分はありますが、是非参考にしてもらえると嬉しいです。

発達障害が原因で友達が出来ないと悩んでいる

自分自身発達障害が原因で友達が出来ないと悩んでいる人もいれば、自分の子供に発達障害があり友達が出来ないと悩んでいる保護者の方もいます。
発達障害は病気では無いため、治ることがありません。

しかし周りの人の協力や助け、主治医や専門家からのアドバイス、自分自身が学習し変わることで友達を作ることが出来るようになっていきます。

すぐに友達とケンカや言い争いしてしまう

発達障害を持つ人の中には、人とのコミュニケーションがうまく出来ない人がいます。
発達障害と聞くと、知能に問題がある、そもそも話すことが出来ないと勘違いしている人もいますがそれは違います。
発達障害の程度や症状は人によって異なります。

その中には言葉数は多く、人と話すことが好きな人もいます。
しかし、相手の気持ちを考えることが出来ずに暴言を吐いてしまったり、自分の意見が通らないと我慢が出来なくなり手が出てしまったり、という事案もあります。

落ち着く方法を確立する

子供同士のトラブルが起こったり、自分の気持ちが制御できなくなってしまったりした時、どうすればいいのでしょうか。
そのような衝突が起こらないように出来たらいいのですが、予防をしても、その日の体調・気持ち・ストレス・障害の程度によっては、起こってしまうことがあります。

そんなとき、落ち着く方法やリラックス出来る方法を見つけておきましょう。
実際に発達障がいの子供の中には、少しでも落ち込んでしまうと泣いて怒って暴れだしてしまうタイプの子供が居ました。
いくらそこで注意をしても、どうしようもありません。

その子を毎日観察していると、周りに誰もいない1人の時間を作ることで、時間はかかりますが落ち着くことが分かりました。
トラブルや癇癪を起こしてしまった時は、静かで誰も居ない部屋へ連れていったり、簡単なパーテーション(板やパネルによる区切り)を作り、自分で落ち着く自分だけの空間を作りました。
このようなことを繰り返していくうちに、自分自身の気持ちの整理のつけ方を学習していくことができました。
毎日その子を見ていると、その子にあった落ち着き方が分かります。
日々の生活や学校生活をよく見てみましょう。

ここで勘違いしてはいけないのは、癇癪を起したら暗所や閉所に連れていく、ひどい場合だと閉じ込めておけばいいと間違った解釈をしてしまう場合があります。
子供によっては、暗所や閉所ではよりパニックを起こしてしまい、逆効果になってしまうこともあります。
あくまでその子に有った対処法が必要となります。

引っ込み思案で友達が出来ない

自閉傾向といって、自分のカラに閉じこもってしまったり、自分自身の世界やこだわりが強いため、友達を作れない場合があります。
自分から他の人と関わりを持たないということは、友達は必要無いのか?と言われたら、それは違います。
心の中では友達を作ったり、誰かと話したりしたいと思っていても、それを言葉や行動に出せずにフラストレーションやストレスが溜まってしまうことがあります。

代弁者や理解者を増やす

自分の気持ちを話せるように促しても、過度の緊張状態に陥ってしまったり、そのように意見を無理矢理言わせられることが、辛くストレスになってしまう場合があります。
いきなりみんなの前で話をしたり、自分の気持ちを正しく伝えられるようにしたりすることは難しいことです。

最初は学校の先生や親が、その子の気持ちを代弁してあげましょう。
「○○と、思っています」「△△はやりたくないみたいです」こういう代弁が多くなっていくと、自分の気持ちが正しく外に伝わるという事を理解していきます。
最初は難しくても、完全な代弁→聞き伝え→一緒に伝える→自分で伝えると、段階を踏むことができます。

さらに大切なのは、周囲の人の理解となります。
発達障害という病気を周りの人に理解してもらうことで、伝わらない気持ちを汲み取ってもらうことが出来ます。
特別支援学校や特別支援学級の場合は、そのような障害に理解がある人が多くいます。
ですが通常学級の場合、または社会に出た場合、発達障害の症状について発信していかないと、不愛想・無口・無視されているなど勘違いされてしまう場合もあります。

まとめ

ここまで、発達障害で友達がいないと悩んでいる人に対して、考えられる原因と対処法を簡単に紹介していきました。
障害の程度は人それぞれであり、対処法も異なります。
その中でも友達を作るために出来ると予測される、3つの事をまとめます。

落ち着く方法を確立し、トラブルを恐れない

友達を作ろう、誰かとコミュニケーションをとりたいがあまり、トラブルが起こってしまうこともあります。
自分や他人を傷つけてしまう、犯罪を犯してしまうという根本的な部分は徹底的に止めるとしても、多少の衝突はつきものです。
トラブルや衝突が起こってしまったとき、どのようにしたら落ち着くのかリラックスできるのか、対処法を見つけておきましょう。

自分の気持ちを伝えてくれる人を見つける

最終的には、自分の気持ちは自分で伝えることが出来れば良いのですが、それが難しい場合もあります。
そんな時は、まずは自分の気持ちを代弁してくれる人を見つけましょう。
一番早いのは、そばにいる保護者です。
発達障害を持つ保護者のみなさんも、是非子供の気持ちを汲み取り伝えてあげて下さい。

その際、代弁者の気持ちを押し付けてしまったり、気持ちをわざと無視してしまったりしないように気を付けなければいけません。
徐々に自分の気持ちを伝えられるようにサポートをしてあげるという気持ちを忘れないでください。

周囲に理解してもらうように努力する

発達障害という言葉を聞いた事はあるけれど分からない、どのように接すればいいのか悩んでいるという人も多く、学校現場でも正しくは理解されていないという厳しい現状もあります。

発達障害を持っている人自身が、周囲に発達障害を理解してもらえるように働きかけることは難しい部分があります。
保護者が発達障害について理解するように努めることはもちろん必要となります。
そして医師や専門家にアドバイスを仰ぎ、特別支援や障害者教育の知識を持った先生に発達障害について説明してもらうことで理解者を増やしてみましょう。